場面緘黙症を抱えている本人または両親のなかには、このようにお考えの方は多いのではないでしょうか?
実際にネットで検索しても克服したり苦戦している記事は見かけるが、具体的な過程について書かれている記事はあまり見かけません。
そこでこの記事では、場面緘黙症をどのように乗り越えるのか?方法や考え方などについてご紹介します。
目次
場面緘黙症を克服する方法3選
始めに、場面緘黙症を乗り越える方法についてご紹介します。
生活環境を整える
まず始めに、場面緘黙症になっている人の生活環境を良くすることです。
- 常に味方になる人を設ける(両親など)
- 味方には何でも話せる良好な関係を作る
- 本人の周りに理解者を増やす
場面緘黙症は、特定の状況下において全く会話が出来ない症状なので、気の許せる環境では問題なく会話出来ます。
この環境や場面を徐々に増やしていくことで克服に繋がりますが、まずは現状で話せる人との関係を良好に保つことが重要です。
場面緘黙症の人は、基本的に会話が出来ないということで、外出中のストレスが他の人と比べて大きくなります。
そのストレスをずっと抱えたままでいると、他の症状を併発させることに繋がりかねませんので、気の許せる味方にたくさん話ができる環境作りが大切です。
自信がつきそうなことをやる
最近の研究で場面緘黙症は、不安症などの一種と呼ばれています。
そして、この症状の人はとにかく不安に感じていることが多いです。この不安を取り除く方法は、自信に変えることです。
- 得意分野を伸ばす
- 没頭できる趣味を見つける
- 才能を開花させる
自分の得意分野を見つけてどんどん伸ばしていくことで、自分に自信が持てるようになります。
また、他のことを忘れて没頭出来る趣味を見つけることも効果的と言われています。
直接会話する以外にも話す方法があることを教える
最近では、直接話す以外にも人とコミュニケーションが取りやすくなっています。
- 筆談・手紙
- メール・SNS
- ビデオ通話
これらのコミュニケーションを取れる便利なアイテムといえばスマホが代表的です。
積極的にスマホ・PCなどを活用することで、コミュニケーションだけでなく勉強の効率化やスキルアップにも繋がりますので、ぜひおすすめしたいです。
ただし、まだ子供が小さくてちょっと早すぎるとお考えの場合、手紙などの文字でコミュニケーションを取る方法も有効かと思います。
また、オンラインのビデオ通話などは、相手と直接会話するので少しハードル高いかも知れませんが、画面越しということとチャット機能も備わっているものが多いので、オフラインの会話よりは気楽かと思います。
場面緘黙症の治療で気をつけるべきこと3選
次に、場面緘黙症を克服するトレーニングをするうえでの注意点ですが、基本的に出来なくても怒ったり注意しないことです。
しかしながら、どうしても注意したくなることもあるかと思います。
そこで、そのような気持ちにならない方法をご紹介します。
場面緘黙症も一つの個性
一般的に自分にしか出来ないものには価値があると言われています。
そして、場面緘黙症の人は他の人にはない個性を持っていることが多いです。
つまり、他人が持っていないものを自分が持っていることということで価値に繋がります。
これをしっかり理解しておくと、場面緘黙症という特性を持つことも個性であり価値があることになりますので、それを非難するような声も気にならなくなりますし、暖かい目で見守ることが出来るようになります。
周囲にはあくまで理解までに留める
場面緘黙症という症状は、人見知りや恥ずかしがり屋などと勘違いされやすく、なかなか理解してもらえないことが多いです。
その結果、いじめなどの嫌がらせ行為を受けやすかったり、仲間外れにされることが多くなります。
これらを防ぐには、周囲の人に場面緘黙症を理解してもらうしかありません。
人は分かり合えると揉め事や争いは起きないと言われていますので、とにかく理解してもらうことです。
ただし、理解者にこちらから何か求めることまではせず、あくまで知ってもらうまでに留める方がいいでしょう。
理由は、他人を変えようとしてもなかなか上手くいかないからです。
また、本当に納得してもらったうえでないと、後々揉め事などの問題になることもあり得ます。
したがって、周囲に理解は求めても、それ以上のことはこちらからは求めない方がいいでしょう。
出来なくても怒ったり注意しない
外出中に自然に会話したくなるような場面を積極的に作ることは良いと思います。
しかし、せっかくそのような場面を作っても話さないなど成果に結びつかない時に注意したり怒るのは逆効果になります。
そもそも場面緘黙症は、話さないのではなく話せない症状ですから、話が出来なくて当然です。
これをしっかり意識したうえで場数を踏ませたうえで暖かく見守る姿勢が大切です。
場面緘黙症は焦って治さなくても問題ない理由
これに関しては、個人的な見解になりますので、あくまで参考程度にしていただけたらと思いますが、僕はそもそも場面緘黙症をそこまで悪い病気だとは思っていません。
理由は、自分の今までの人生で類似の症状を持った人(数人程度)と出会ったことありますが、その人達が皆不幸な人生になっていないからです。
また近年では、スマホなどの普及やネット中心の生活に変化していますが、この変化は場面緘黙症にとってはむしろ有利であると考えています。
理由は、直接会うことなくコミュニケーションが取れる機会が増えていることも理由です。
したがって、場面緘黙症を病気として捉えるのではなく、一つの個性として受け入れることでストレス軽減になり、克服にも繋がりやすくなります。
まとめ
この記事では、場面緘黙症を克服する方法や注意点などをご紹介しました。
この記事によって、今まさに場面緘黙症で困っている方や悩んでいる方のお力になれれば幸いです。
また、別記事も多数ございますのでぜひ参考にして下さい。
「場面緘黙症を治したいけどどうしたらいいか分からない」
「いろいろ試したけどどれも上手くいかない」
「場面緘黙症が治らないまま大人になるのは嫌だな」